ロムニー候補の逆襲

グローバル

米大統領選挙の行く方が全く読めなくなった。昨日(1昨日?)の2大政党候補の討論会にて、民主党の候補であるオバマ現職大統領と共和党の候補であるミット・ロムニー氏が討論を行った。

大衆およびマスコミの評価は明らかにロムニー氏が優勢であったと伝えている。氏のほうが具体的かつ明確に現職大統領の失政もしくは進捗の遅さを突き、オバマ大統領は防戦一方だったと。ABCニュースでの抜粋放送を聞く限り、ロムニー氏は「舌鋒鋭く」切り込み、オバマ大統領はいつもの格調あるスピーチやウィットを効かせたコメントではなく、なんとなく元気がない様子なのである。言っている内容も「でも頑張っているでしょう」程度のトーンなのである。精彩を欠くといってよかろう。

確かにテーマごとの論戦の最初には、大統領はロムニー氏の政策に関し以前から露呈している矛盾点を突こうとするのだが、ロムニー氏が反論すると、それに対し再度鋭く突っ込むということが殆どなかったようだ(全部聞いていないので、定かではないが)。まるで何か他に心配事でもあるように集中不足のように感じたのは小生だけだろうか。地方遊説を副大統領や夫人に任せて(これは両候補に共通するが)、このディベイトに集中するために準備し練習していたはずなのに、どうしたことだろうか。それとも体調不良か。まさか共和党支持者の極派(実際にいるのが厄介だが)による、家族に危害を加えるといった脅しでもあったのでは、と疑念を抱かせるほどの、オバマ大統領の不調であった。

この結果、「隠し撮りビデオ」による身内での発言の暴露により土俵際に押し込まれていたロムニー候補も息を吹き返したと、もっぱらの評判である。今回の選挙は、米国の将来の方向を決める、非常に重要な選択になろう。さて、あと1ケ月あまりの大統領選挙マッチレースは最後の追い込みに入ろうとしている。ここで大きな失策をどちらかが犯すと、手痛い打撃となること間違いない。