期も変わって、気分も一新したいところですが、天気は一向に冴えません。晴れたらいきなり夏日だったり、雨が降れば一挙に冬並みに冷え込んだり。これで体調を崩すなというのが無理かも知れません。
そんな折、「トランプ台風」が世界に被害を広げようとしています。自らをTariff Man(関税男)と呼んで、同盟関係にかかわらず諸外国に高率の追加関税を課すぞと大はしゃぎしています。
1)関税で政府収入を増やす、2)貿易赤字を減らす、3)外国からの米国への直接投資を増やす、4)貿易相手国からの譲歩を引き出す、の4つが主な政策的狙いだとし、特に4が主ではないかと多くの経済通の識者が論じています。
でも私は、5)トランプ支持派の国内労働者に対し「MAGA(Make America Great Again)のために既存秩序を破壊する」自らの影響力と実行力を誇示したい、というのが一番の動機だと思います。動機が子供じみたものだけに、日本政府が企図しているような「日本はこれだけ貢献しているのだから許して」みたいな説得は全然効かないでしょうね。
かといってEUやカナダのように「報復関税だ」と拳を振り上げるのも、貿易戦争に向かうリスクのほうが大きいでしょう。むしろ、トランプが一番嫌がることを脅しの材料に、取引を持ち掛けるのが効果的です。
つまり「このまま日本製品への関税を実施したら、①米国向けに予定している日本企業の巨額の直接投資は取り止めさせる、②米国半導体産業に提供してきた半導体製造装置などの供給をストップさせるゾ!」といった分かりやすい脅しが一番でしょう。
問題は日本政府の中に、そんな肝の座った脅しをトランプ政権にぶつけることができる政治家がいるのか、という点です(※)。うーん、難しそうですね⁉
※私はクライアント企業の経営者に、提携先米国企業に対しそうした交渉術を取らせて大成功した経験があります。
話は変わりますが、For Japanプロジェクトの雑誌『社長思考』というのが昨日、Amazonから発売になりました(kindle版とオンデマンド版の2通りあるようです)。ご興味あればお買い求めください。https://amzn.asia/d/esxgM02
「トランプ関税台風」の被害を避けるには
投稿日時:2025年4月3日