目まいがするほど多い、世界の悲惨な難民の実態

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年末を意識するようになるこの時期になると、様々な団体から寄付の依頼のための書類が、弊社オフィスや自宅に届きます。

その中でも目立つのが、様々なNGO(ユニセフ、UNHCR=国際難民高等弁務官事務所、国際赤十字など)からの緊急支援を呼び掛ける各種の郵便物です。例年、自然災害による被災地の救済と紛争・戦争による難民の救済がほぼ同じくらい並んでいるのですが、今年は後者が圧倒的に目立ちます。

これは世界で大きな自然災害が減ったという話ではなく、おそらく逆に、難民救済のほうの対象人数が(ウクライナ戦争等で)異常に増えてしまった反面、先進国などの政府からの難民救済支援金が削られて、この部門の財政逼迫が危機的状況に陥ってしまったと推測されます。

それらの郵便物では、世界の戦争・紛争被害者の弱弱しい悲鳴が聞こえるような、悲惨な様子の写真がこれでもかという具合に次から次へと現れてきます。

特にシリア難民とパレスチナ難民が難民キャンプで暮らすヨルダン、トルコ、エジプトなど。アフガン難民が暮らすパキスタン、イランなど。ウクライナ難民が暮らすポーランドなどの周辺東欧国…(実はこれらの書類が作成されたタイミングではイスラエル-パレスチナ戦争はまだ勃発していないので、自治区のパレスチナ人はフィーチャーされていません)。

どこも自国がそれほど裕福でもないのに人道的立場から多くの難民を受け入れています(日本は極端に少ないのです)。その受入国自身がエネルギー危機やコロナ過、さらには地震等の自然災害により経済が大きく打撃を受け、難民支援への資金を出せなくなってきています。そして各NGOも、世界の市民からの寄付が物価高などのせいで細り始め、分配にかなり影響が出てきているようです。

当然、元々最低水準の生活を余儀なくされてきた難民たちは、今や生存に必要な物資の補給が滞り始め、食糧や衛生的な水が圧倒的に不足し、厳しい冬を前に満足な防寒着すらない状況に直面しつつあるのです。世界はまったく理不尽にできています。

こうした世界の事実を知ってしまうと、我々日本人は何と有難い平和な時代を過ごさせてもらっているのかと改めて考えざるを得ません。私は自宅の温かい湯船に浸かる時、よく世界の難民の境遇に比べての我が身の有難さを思い知らされるのです。

実際、わが日本人も敗戦直後は、荒廃した国土に大勢の孤児や傷痍軍人が溢れていたのを、世界からの援助で飢餓や大規模な感染症での大量死を避けることができ、何とか乗り切って今のまともな国民生活ができる状態にまでたどり着いたのです。

だからこそ私はせめてものおすそ分けとして可能な限り寄付を続けています。皆さんも是非、考えてみてください。