岸田さんはラッキーなタイミングでの登場⁉

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秋が深まると同時に緊急事態宣言も蔓延防止措置も全国一斉に解除されました。そして同じタイミングで自民党の総裁選が決着し、この4日には第100代の首相に指名されました。

今回は久々に党友・党員を含めてのフルの総裁選だったので4人の候補者による政策論争を含めて色々と報道され、自民党への注目度が一挙に高まった格好です。その一方、野党の存在感はほとんどゼロに等しい状況でした。これは来る総選挙においてはかなり自民党に有利に働く、重要な要素です。

しかもワクチン接種が順調に進んでいることもあって、新型コロナ感染者数などは各段に小さなものになりつつあります。しばらくするとGO TOキャンペーンの再開も始まるのでしょう。当然、感染者数のリバウンドはある程度予想できますが、病床等のひっ迫によって緊急事態宣言が繰り返される状況にならずに済めば、感染対策と経済の両立への道筋ができてくることになります。

世界的なエネルギーひっ迫と原油高、そして中国不動産問題により一旦再び落ち込んだ株価も、景気テコ入れのための数十兆円規模の経済対策のアナウンス効果も考え合わせると(それが外人買い手に受ければ、ですが)、年末に向けて持ち直す可能性は十分あります。

あれやこれや考えると、31日投開票の日程と目されている総選挙では自民党が圧勝する可能性が出てきました。そうすると岸田政権は「3A」に牛耳られる事態から意外と早く抜け出して独自色を出せるかも知れません。

確かに政権発足時の支持率は菅さんのときに比べたら随分見劣りしますが、菅さんは首相就任時に持ち上げられ過ぎていて危なっかしかったくらいなので、むしろそこそこの支持率で始まるほうが(不合理な期待感が失望に変わるよりは制御しやすく)維持しやすいものです。

端的に言うと、岸田さんは意外とラッキーなタイミングでの登場かも知れません(逆に菅さんには判断ミスと不運が重なりました)。この総裁選が始まった時には「火中の栗」と見られていたポジションですが、1年間の雌伏の時を経ての決断は大吉と出たようです。実行力はあってもコミュニケーション力に欠けた菅さんにはできなかった、柔軟で包容力のあるリーダーシップのあり方を岸田新総理には見せて欲しいものです。