酷暑のピークは過ぎたようですね。パラリンピックも終盤に入ろうとしています(個人的にはオリンピックの時に比べ極端に忙しくて、視聴時間は大幅に削られています)。オリンピックも含め、熱中症で倒れる方は若干いましたが、大事にまでは至らなくて本当によかったと思います。私はかなり心配していましたが、概ね無観客という大会開催のあり方がもたらした「不幸中の幸い」の一つです。
「平和の祭典」「多様性の祭典」の真っ最中に世界に衝撃が走ったのが、米国軍撤退の間隙を縫ってのタリバンによる急速なアフガン支配、そしてそれに伴う大混乱でした。8月26日には脱出希望者でごったがえす空港で自爆テロが起き、90名以上が死亡した模様です。
そんな中、日本は大使館職員の日本人、つまり政府関係者だけは(英国軍機に乗せてもらって)国外脱出させることには成功しましたが、現地の日本人民間人の大半(1人だけは救出済)と大使館勤務など日本に協力してきたアフガン人を置き去りにしたまま自衛隊機の撤収を決めました。一方、欧米各国や韓国は27日時点までで撤退活動を完了させています。自国民だけでなく、自国に協力したアフガン人を含めてです。この差に啞然としますね。
この違いが示すのは政府中枢の危機管理能力の差であり、政府機関の諜報活動能力の差です。日本に諜報活動能力が欠如しているという指摘は過去にも色々な識者からされてきていますが、官邸にも国家安全保障局にもまったく変化が見られません。
そして政府中枢のお粗末な危機管理能力は、五輪を控えながら感染抑制に苦慮していたこの1年でのワクチン調達の遅れでもまざまざと露呈されており、今日の苦境を深刻化させています。
過去にさかのぼると、東日本大震災・原発事故時の管政権、新型コロナ感染拡大時の安倍政権といった具合に続いています。要はどの党でもどの政権でも、日本政府は危機に直面するとあたふたして情けない対応しかできないということです。
国民そして自国に協力してくれた人々の生命を守る。こんな基本的なことができない国になってしまったのはいつからなのでしょう。こんな調子で首都圏大地震、原発等への大規模テロ、台湾有事のいずれかが起きたらどうなるのでしょう。我が政府は当てにならないことは既に立証済です。我々はそれこそ「自助、共助」しないといけません。そういえば昨日は「防災の日」でしたね。