東京・大阪等の3度目の緊急事態宣言が今回も延長されました。感染者数などは下がる兆しが見えませんので延長されることは相当前から予想されていました。実はメルマガのパスファインダーズnewsで書いておきましたが、最短でも5月末までと予想していました。その背景が次の通りです。
東京2020オリパラ組織委員会・東京都・国・国際オリンピック委員会・国際パラリンピック委員会の5者協議により、観客数の上限についての判断は6月に先送りされること、その際には国内スポーツイベントなどの上限規制に準じることを合意したそうです。
東京オリパラをなんとか「成功」という形にして秋の総選挙に持ち込みたい菅政権としては、6月の「判断」時点での感染状況を何としても抑え込みたいのです。3回目の宣言解除後に国内スポーツイベントの上限規制を「観客半分」と緩めるタイミングで、オリパラのほうも「観客半分で開催」と宣言するというシナリオでしょう。
でもこの延長期間に十分に感染者数などが下がりきらないと、(多分、6月半ばまで)再延長という羽目になってしまうと懸念しております。その場合には「無観客」というオプションの検討も含め、かなり政府内の議論は揉めるでしょう。
実は私も、久し振りに日本に戻って来た友人家族との食事会を延期させてきており、「5月末ならどう?」という彼の誘いに対し上記の事情を説明して様子見をすることにしたところです。せっかくレストランを予約してもキャンセルすることになるのが目に見えているのですから(ちなみに彼は米国政府関係者ゆえワクチン接種済のはずですので、感染リスクはほぼありません)。
一時世界最悪の感染状況だった米国ではワクチン接種が進んだ結果、急速に景気が回復しています。日本も、ワクチン接種で集団免疫を獲得するしか今の苦境を脱するための決定的な打ち手はありません(だからこそワクチン確保に大幅に出遅れた日本政府は叱責に値します)。変異株の脅威も忍び寄ってきており、ワクチン供給とどちらが速いかの競争です。それまで我慢するしかありません。