杉田議員の女性差別発言は同僚・自民議員の意識の反映

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自民党の杉田水脈衆議院議員は性暴力の被害などをめぐり、「女性はいくらでもうそをつく」などと発言したとされる問題で、「発言があったことを確認した」とブログで明らかにしました。

問題となっているのは、9月25日の自民党の会議での発言です。複数の出席者によると、 杉田氏は「女性への性暴力に対する相談事業」をめぐり、「女性はいくらでもうそをつく」などと述べたということです。これについて、「性暴力被害者を貶めるセカンドレイプで、激しく性差別的だ」などと批判の声が上がりましたが、杉田議員は9月30日まで発言そのものを否定していました。

一転して発言を認め謝罪した杉田氏ですが、発言は「性暴力対策で議論が必要だ」という趣旨であって女性を蔑視する意図はまったくないとしています。今回のブログ上の謝罪は、同上発言があったことを「確認」した、「お詫び」すると記すだけで、それ以上の説明もなければ、発言の撤回もしていません。

要は、発言したのに「記憶違いで」発言していないといったことを誤っているだけで、発言そのものを謝っている訳ではないことが一つのポイントです。

そして同議員は過去にも女性やマイノリティを蔑視した発言を繰り返しています。例えば2018年、月刊誌で同性カップルを念頭に「子供を作らない、つまり『生産性』がない」と主張し、批判を浴びました。彼女は以前にも、被害女性のことを名指しして「女として落ち度がある」と批判していました。懲りない人ですね。

でもこの人の過去の言動をよく見ると、決して信念でマイノリティや女性を差別しようとする意図ではないかも知れないと思えます。

私は決して彼女を正当化する意味でそう言っている訳ではなく、彼女は信念で発言する人間ではなく、周辺の年上男性を利用することで自分の立場をよくしてきた人間だと言いたいのです。

その結果、この女性議員は、自分の周辺にいる自民党議員(および支持者)の爺さんたちに向けて「こう言ったらウケるだろうな」という発言を繰り返しているのだと思えるのです。

つまり頭の固いガチガチ保守の、田舎出身の自民党議員の爺さん方は、同性カップルを「『生産性』がない」と考えており、性暴力被害を訴える女性たちの何割かは「嘘をついているかも知れないじゃないか」「かなりの割合の痴漢冤罪が発生しているに違いない」と考えており、それを普段の発言のニュアンスから敏感に察した杉田議員が、「年下女性の私がそれを口にしたら、センセイ方はきっと『よく分かっているじゃないか』と褒めてくださる」と考えた可能性が非常に高いということです。

つまり杉田議員の女性や少数派への差別発言は同僚である老齢の自民議員の差別意識の反映であると考えると、非常に納得がいくのです。そして恐ろしいことに、そうした差別意識を持つ者は日本人の特殊な一部の層(老齢議員、右翼、ネトウヨ)だけではなく、意外と少なくないのではないかと私なんかは思っています。ほんとに恐ろしいことですが。