緊急事態宣言が解除されたことで、警戒モードが一挙に緩んでしまったようです。街中に人通りが随分増えたのは完全自粛から解放されたのだから当然ですが、マスクをしていない人も結構います。「ソーシャルディスタンス」なんて忘れたように前の人にくっついて行列している人も少なくありません。
まるで「感染を恐れる時期はもう済んだ」と勘違いしているようです。
残念ながらこの調子では第二波が来ることはほぼ確実かと思います。その時に緊急事態が再度発令されても、1回目の時のようには皆が真面目に従わないのではないでしょうか。そうなるとどうなるのか。恐ろしい懸念です。
せめて出掛ける際には、以前にも増して感染予防を心掛けて欲しいものです(3密を避ける、マスク着用、こまめに手洗いなど)。
せっかく時間稼ぎができたのだから、政府も感染対策を一歩進めて第二波に備えることが不可欠です。具体的には検査体制の拡充(PCRと抗体検査の両方ともまだ全く不十分)と隔離先の確保(それなりに進んでいるようです)、感染経路のトレースと「非感染」証明書の発行を可能ならしめるアプリの発行(「大阪コロナ追跡システム」を全国版にするイメージ)などです。
どんな改善・改革でも云えることですが、状況把握と政策の効果検証ができるようにならないと、どんな手が有効なのかを判断できません。このメルマガでもコラム記事でも指摘してきましたが、検査体制の拡充により初めてそれが可能になります。これが感染症対策の基本ですから、政府・厚労省と出遅れている自治体には早く誤りに気づいて欲しいものです。
緊急事態宣言の解除が早すぎたという意見もあるでしょうが、経済が死んでしまっては市民の被害はもっと広範・甚大になってしまいます。今回はぎりぎりのタイミングだったのではないでしょうか。
だからマスコミにも、人々が外出し消費することを罪悪視しないでいただきたい。できる限り消費活動を復活させることが結局は自分たちのためでもあるのです。
もちろん、店や企業も消費者も、感染予防を万全にした上で。