地方創生の典型的なテーマが観光だが、結局は旅館やホテルが魅力的でしっかりとしたサービスを提供できないと話にならない。
そんな魅力的旅館の一つが神奈川県鶴巻温泉にある、大正7年創業の人気旅館「元湯陣屋」だ。テレビ東京の「Crossroad」で随分前の10月15日(土)に放送されていた。旅館の代表、宮崎富夫氏(39歳)を採り上げたものだった。 http://www.tv-tokyo.co.jp/crossroad/backnumber/person152.html
この旅館、ウィキペディアに載っているほどの歴史を持つ人気旅館だが、実は先代の時に破たんしかけており、富夫氏が再建したのだ。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%85%83%E6%B9%AF%E3%83%BB%E9%99%A3%E5%B1%8B
宮崎駿の親族が女将を務めており、幼少期に宮崎駿がこの旅館で過ごした思い出が「となりのトトロ」「千と千尋の神隠し」に影響を与えたとされているため、ジブリ・ファンが旅館を訪れるというのも再建には好影響を与えたかも知れない。
しかし何といっても本田技術研究所の元エンジニア、富夫氏が自ら開発した様々な自動化システムが効率化・コスト削減や顧客満足アップに大きな力を与えたことは間違いない。番組の中でいろいろと紹介されていた。
例えば:
– 紙ベースだった台帳もすべてエクセルに入力し、部屋の稼働率を分析
– 客室の扉にセンサーを付けて、顧客が部屋を出たらレストランや受付などに発信される(→客がどこに向かうかによっておもてなしを先回りできるようにした)
– 車のナンバーと運転手の名前などをシステムに記憶させ、旅館に到着した車のナンバーからシステムがドアマンに客の名前を教えることで「お待ちしておりました○○様」と名前を呼んで客を迎える(→ホスピタリティの高さを実現)、等々
他の旅館やホテルからも続々と視察が舞い込むだけでなく、このシステムを「陣屋コネクト」と名付けて販売している。大したものだ。