バングラデシュの首都・ダッカで日本人7名がテロ事件に巻き込まれ死亡した。遺族の方々には心よりお悔やみ申し上げたい。
残念ながら数年前に警告していた事態が発生したと言わざるを得ない。
http://www.insightnow.jp/article/7529
一人救出されたのが不幸中の幸いですが、彼ら8人はJICAの海外支援事業の一環で現地にて調査を行っていた複数の建設コンサルティング会社の社員だそうだ。多分、ダッカ市での都市高速鉄道(地下鉄)を建設するための予備調査だったのではと推察する。
実は私自身も7年ほど前、ベトナムのホーチミン市で都市高速鉄道計画のために駐在していたことがある(彼の地は非常に安全だった)。そこでは彼らのような建設コンサルティング会社やエンジニアリング会社の人たちと一緒に仕事をしていたので(我々は財務・マーケティング系の計画を担当していた)、彼らがどんな職種の人たちでどんな仕事を現地でしていたのか、想像がつく。
一年の大半をこうした電力や清潔な水の不足する途上国で過ごし、現地の公共インフラ建設のために地形や土壌、交通量などを調査する。同じ能力があればインフラの整った日本でもっと楽な仕事はいくらでもあるのに、途上国の人々の生活水準向上に貢献するという志のために過酷な気候の下で汗水垂らして懸命に働いている人たちだ。
そんな彼らが束の間の憩いのために立ち寄ったレストランで人質に取られ、恐ろしい思いをしたあげくに殺傷されるのはまったく理不尽だ。私はテロリストに怒りを禁じ得ない。現地の人たちが被害に遭った日本人に同情してくれてテロリストに怒るのを観て、ほんの少しだが救われた気になった。