「ガイアの夜明け」の3月3日放送分は「売れる地域スーパー!驚きの新戦略」。録画を観るのが追いついていませんが、観てみると面白いのが目白押しです。
人口縮小が加速する中、中小スーパーの倒産件数はここ数年右肩上がりで増え続けています(去年は約60のスーパーが倒産したそうです)。
でも山梨の甲府市を拠点とする「いちやまマート」(店舗数13と中堅どころです)は、地元客で連日大賑わいです。その秘密は、中小スーパーでは珍しい充実したPB商品(ブランド名は『美味安心』)。調味料や総菜など400種類以上も揃っています。
糖尿病など健康に悩む(これ、目の付けどころがいいです)お客さんのために糖質カットや添加物を全く使わずに開発するのがこだわりで、社長の三科雅嗣さんは「ウチはお客に健康になってもらうことに力を入れている。大手さんはここまでやれない」と胸を張っています。
さらに凄いのが、全国の中小スーパー約70社に積極的に商品を提供してきたことです。視察に来たそれらの会社から、「ウチにもお宅のPB商品を置かせてほしい」と要望を受けたのですね。
愛知県を中心に10店舗を展開するスーパー「やまひこ」もそのひとつで、番組で紹介されていました。2月末、やまひこの担当者が「いちやまマート」で研修に臨むことになったのです。研修が必要?そう思いますよね。でも商品供給や視察受け入れだけでなく、客のニーズに対応する売り場を作り上げるノウハウも伝授するのが「いちやま流」なのです。なるほど、と思います。
実際、この「やまひこ」の担当者の方、最初は頼りないのですが、研修で色々と教えられて格好がついてきたようです。それでも実際に売り場に「いちやまマート」のPB商品を置いて売ってみても最初はあまり売れません。色々と工夫が足らないのです。
心配になって様子を見に来た「いちやまマート」の三科社長が、現場で色々と知恵を授けます。例えば試食用のカツの並べ方がばらばらに崩れていると美味しそうでないために手に取ってもらえないとか、このPB商品がなぜ健康にいいのかを説明した手造りPOPを置くとか、PB商品を集中したコーナーを作って目立たせるとか。
でも小生は思いました。この辺りに誰も気づかないようでは、商売の基本からスーパー「やまひこ」は鍛えてもらう必要があるかも知れません。また、初めから研修の中でそうしたポイントは教えてあげないと(もしかすると教えているのに受講した担当者が忘れているのかも知れませんが、それだとなおさら問題です)。