10月6日(月)の「未来世紀ジパング」(TV東京系)は「池上彰SP第1弾 ~謎の国・トルクメニスタン~」。池上彰氏が注目し続けてきた国がトルクメニスタンだそうです。長い間、北朝鮮のような鎖国状態にありましたが、今回特別に許可が下りたのです。実に驚きの内容でした。
その首都・アシガバートには白く磨き上げられた不思議な街並みが広がっていました。異彩を放っていたのが、前大統領の金色の巨大像。なんとも成金趣味です。ギネス認定という世界一大きい”星形”建造物や、世界一大きい”屋内”観覧車などの奇妙な建物が立ち並び、しかもそれがすべて総大理石(海外からの輸入)! 世界一大理石が密集している都市としてギネスに載っているそうです。
市民に話を聞くと、みな「大統領様」への感謝を語ります。トルクメニスタンの書店へ行くと、目立つのは大統領関連の本ばかり。大統領の写真集や大統領の料理本もあります。トルクメニスタンのテレビでも大統領の映像ばかりです。取材中もトルクメニスタン政府の役人が取材に同行して監視しているのです。報道の自由度ワースト3位とされる国ですから。でも北朝鮮と違うのは、集合住宅にはパラボラアンテナが林立しており、衛星放送を観ることは許されているのです。
あるお宅は沢山子沢山の11人家族。通称“エリートハウス”。400平米の豪邸に住んでいるのですが、平均的な収入だといいます。何とこれ、家も家具も大統領からのプレゼントだというのです。子供が8人以上いる家庭には、この“エリートハウス”が無償提供されるのです。しかもトルクメニスタンでは電気・ガス・水道がすべて無料。医療費も無料。学費も大学まで無料。国民の暮らしとしては楽でしょうね。以前あったカタールと“いい勝負”です。
トルクメニスタン東部のガルキニシュ ガス田は2006年に発見されたばかりのガス田で、その埋蔵量は世界で2番目の規模です。巨大ガス精製プラントが出来上がっていました。運営しているのは国営のガス公社。働いているのはトルクメニスタン人だけなのですが、施設内には中国語の張り紙がありました。この施設の設計や建設を行ったのは中国の国営企業。この国は中国と深い関係にあるのです。そしてここからガスがパイプラインで輸出されるのも中国。同国にとって最大の顧客でもあるのです。
しかし日本も巻き返しの機会がありそうです。今のベルディムハメドフ大統領は日本びいきだそうです。また日本製品には根強い人気があり、バザールでは中国製のエセ日本製品が売られていましたが、やはり「日本製=性能がいい」というイメージがあるというのです。同国で最も人気のある自動車メーカーはトヨタ。「結婚式(トヨ)から草原(ヨタ)まで」というキャッチコピーが受け、新車が次々と売れています。土木工事現場ではコマツの建機が売れ始めています。
さらに双日と川崎重工が現地で、天然ガスから化学肥料を生成する巨大プラントを建設し、今月からの稼働に向けて準備するプロジェクトを進めてきました。これにより国内農業も盛んになり、肥料輸出は主要産業になる可能性も大きいとのことです。肥料以外の化学製品を作るプロジェクトは他にもありそうで、高級品も買うお金は一杯あり(しかも人口も増えてい)ますから、日本との結びつきは強くなりそうです。