責任感と完璧主義、負けず嫌いな人ほど洗脳されやすい

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9月14日(月)に放送された「しくじり先生 俺みたいになるな!!」(テレビ朝日」を久しぶりに(というか初めて通しで)観た。もちろんビデオ録画だが。

今回はスペシャルの2時間48分。前半の元巨人軍の元木選手の話は「露払い」。本番は、「“洗脳”されて人生どん底に落ちてしまった辺見マリ先生」のほう。娘と一緒に観たが感想は同じで、「小説や2時間ドラマより凝縮された凄まじい実話。圧倒されて怖いくらい」というものだった。

辺見マリという歌手は、何十年か前、大ヒット曲「経験」で数々の新人賞を総ナメにし、その妖艶な振り付けとセクシーな雰囲気で世の男性たちから絶大な人気を博していた。そして大御所の西郷輝彦と結婚、芸能界引退、離婚といった派手な印象が強い。どうやらその後、(よくは覚えていないが)芸能界復帰、再度引退とか色々あったようだ。

しかし、華やかな芸能界での活躍の裏で、実は辺見マリは“洗脳”されていたのだという。“洗脳”が原因でなんと5億円も失い、人生のどん底に落ちてしまった彼女は、金銭トラブル、熟女ヌード、さらに家族との固執と、様々な不幸を経験することに。娘・辺見えみりのギャラにまで手を付けていたという告白には驚きと「なぜ?」という思いが拭えなかった。

今回の授業では、辺見マリが「私はこうして洗脳された」と、当時の経験を赤裸々に告白してくれた。本当に洗いざらい、「赤裸々」という言葉そのままに。その潔さに感服した。

さらに洗脳集団の手口の全貌も徹底解説してくれた。これを観た視聴者は(小生同様に)とてもショックだっただろうが、本当によく分かったはずだ。

番組の中で出ていたのは“AOSK”というキーワードだった。順に「安心(まずは警戒心を解く)」「驚き(何か「奇跡」を作りだす)」「嫉妬(仲間外れにしてメンバーになりたいと思わせる)」「囲い込み(完全に社会から隔離して批判精神を失わせて依存させる)」という4ステップだ。

「自分は絶対に洗脳されないと思っている人は、特に必見!」と番組宣伝であったが、本当にそうだと思った(小生が番宣に納得するなんて滅多にないことだ)。

芸能人のように独立心が強く、完璧主義で、強気で自分の判断能力に自信があるタイプのほうが洗脳にはまりやすいとのことだ。思ったのは、オーナー経営者も同様だということ。だからこそ怪しげな壺や骨とう品を買っているのかも知れないと納得してしまった。

「洗脳で人生を棒に振らないための授業」を辺見マリが実に「熱血講義」してくれた。バラエティ番組で感動するなんて、後にも先にもない経験だ。

それにしても「新拝み屋A」を中心とする今回の一味がまだ捕まっていない(つまり別の餌食を食い物にしているだろう)という事態は実に腹立たしい。「オレオレ詐欺」の連中以上に、こうした洗脳により被害者家族を身ぐるみはがして食い物にする犯罪集団がなかなか捕まらない現実にやるせなさを覚えてしまう。