美容室向け「格安通販」は合理性を追求したビジネスモデル

ビジネスモデル

3月28日に放送された経済情報番組「Mプラス」(テレビ東京)では、先月東証に上場したビューティガレージが、「デフレはやめられない」という短期シリーズで紹介されていた。

番組では創業以来二桁の伸びを続けているその躍進の主な理由を、独自ブランドを海外で生産し、中間マージンを排除した通販で、従来品の半分~4分の1程度の価格で商品を提供していることにあると分析。要は、プロを相手の通販ビジネスなのである。

しかしただの通販業者ではないのはその徹底した合理化の度合いであり、同社の流通センターにその秘訣を観た。30万点の商品在庫から毎日800箱を発送するというから、大したスピードである。

それができるのは、業務の流れを標準化・簡素化した上でITをうまく活用しているから。例えば商品のピッキングの指示書は遠いところにある商品からリストアップされており、最後に梱包材の近くに来るように設計されている。また商品の棚にはわざと種類の違う商品を隣り合わせにしており、ピッキング作業者が躊躇せずに済むように工夫されている。しかも商品は全てバーコードがすぐ読めるように裏向きになっている。

なんとも心憎い気配りであるが、こうした工夫で毎時毎日の積み重ねでは膨大な作業時間が短縮されるのである。お陰でこのセンターでは従来の半分の人数で倍の発送業務を行っているという。

また、売上の2割を占めるという独立開業支援のコンサルティングサービスも、それ自体は格安なので足が出るだろうが、結局同社で機材を買い揃えることになるのでペイするのだろう。同社の野村秀輝CEOは、「開業したい美容室オーナーらを対象に経営支援をすることで、今後も20%台の成長を維持したい」と語っていた。注目の企業である。