米国大統領選挙の結果

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米国大統領選挙、トランプ氏の復帰という結果に終わりましたね。

最近、ドジャーズ優勝、横浜DeNA優勝と続いていたので、これも希望通りになるかな、などと安易に考えていたのですが…。今後の世界情勢(特に戦争地域の拡大)を考えると不安が首をもたげます。

元々私は米国の大統領選挙にかなりの関心を持っています(住んでいたこともあるし、友人も少なくないので)。そのため幾つか関連コラム記事を書いたこともあります。

トランプ復権は東アジア危機を招く

チェイニー議員落選に見る、米共和党の劣化と支持者の堕落

それにしても今回の選挙は(前回および前々回にも増して)最後まで行方が分かりませんでした。トランプが関わると「隠れトランプ」の動向・規模が選挙を左右するために予想が外れやすいのですね。

まともな民主主義国なら、4つもの犯罪(しかもその一つは政治的要因とは全く無関係な、女性問題から来たもの)で起訴されている容疑者が最高権力者の座に挑戦することも、ましてや当選することなど、とてもできません。

それができてしまうのが「米国の懐の深さ」でもありますが、今の米国の狂っているところでもあります。

最近の米国の有権者は1/3が共和党、1/3が民主党をそれぞれ固く支持し、残り1/3が無党派のSwing Voters(選挙の度に投票先の党が変わる人たち)です。

トランプ支持者はトランプの発言は(いかに馬鹿げたことを言ってもまったく考えることなく)受け容れてしまう「洗脳」状態にあるので、いくら真っ当な論拠や証拠があってもトランプに不利なことは信じません。

一方の民主党支持派は、何があってもトランプの言うことを信じない「反トランプ」派でもあります。だから選挙を左右するのはSwing Votersがどちらに投票するか次第です。今回の結果は重要な7州のSwing Votersの多くがトランプに投票したことを示しています。

結局、彼らを突き動かしたのは、不法移民の問題と物価高に関するバイデン・ハリス政権の対応が中途半端で遅いことに対する怒りだったのですね。

カマラ・ハリスが訴えた「中絶の権利」や「民主主義の価値」といったあいまいな概念よりも、トランプが焚き付けた「このままでは我々の生活がおかしくなってしまうぞ!」という恐怖感が勝ったということでしょう。トランプ陣営の作戦勝ちですね。

それにしてもハリス陣営はなぜトランプ政権時代のコロナ禍対応の稚拙さと、それによる死者の多さを突かなかったのでしょう。

「トランプが『風邪と同じ』などと言って対応しなかったからおばあちゃんは死んだんだ」という具合に、身近な家族や親族そして友人を亡くした人たちの記憶はまだ鮮明で、今後もトランプ政権の危機対応には不安を覚えるはずです。そこを集中的に突いたらかなりのインパクトがあったと思うのですが、不思議です。


さて、『For JAPAN -日本を経営せよ』の11月放送分に再び出演しています。

11月8日(金)もまた21:30-22:00から放送され、Youtubeで見逃し配信もされています。

テーマ:<日本のお金の大問題>

ABEMAチャンネル:https://abema.tv/video/title/221-273

Youtube見逃し配信:https://www.youtube.com/@forjapan_project