日経ビジネスの9/16版の最後のほうに載った「直言極限」はあの竹中平蔵教授(実はこの人、小生の大学およびゼミの先輩!)。しかし、ホントに珍しく小生と意見がかなり一致しているので、ちょっとびっくりした(かといってこの人の小泉政権時代の「売国奴」的政策については尊敬できないが…)。
竹中氏はまず、今回の消費税増税反対という自らの立場を明らかにしている。それは「社会保障制度の歳出部分の抑制がない限り、増税を進めても中期的な財政再建ができない」からであると断言している。その通りである。
その上で、氏は「一度方針を決めて内外に発信した以上、予定通り増税を実施すべき」と説く。「悪法も法なり」の立場である。この部分は同意できないが、増税を止めるためには新たな法律を通さねばならないが、そんな政治的苦労をするくらいなら現状維持ではなく、事態改善のために歳出全体を抑制する枠組みを実現し、若い世代の社会保障充実を図るべきと説く(この部分には全く同意する)。
3%の増税が経済に対しかなりのダメージを与える(氏は約1.5%と読む)こと、消費増税を行ってもなお約1%のプラス成長を見込むという政府見通しは甘すぎるということ、大規模な経済対策・補正予算の実施があれば財政赤字がさらに悪化し、何のための増税なのか、趣旨が分からなくなること、等々は全く同意だ。だからこそ小生は一挙3%の増税に反対し、毎年1%の増税を次善の策と考えるのだが、氏や安倍首相は毎年政局になることを恐れているようだ。
そこで氏が提案するのは、この「大規模な経済対策・補正予算」の原資を、インフラ運営権を民間に売却するコンセッション方式で生み出せ、と説くのだ。財政収入として約40兆円あるという。本当だろうか。まるで政権に就いたときの民主党の言い分のようで俄かに信じがたいが、もしこれが可能ならば、是非そのコンセッション方式を実施すべきだ。それは増税のための経済対策の原資としてよりも、まずは財政再建の一部として使い、それで増税を回避して欲しいものだ。