今日、ある大手有名企業の子会社社長と久し振りに会って昼飯を食べた。
時間を調整する際のメールに「最近暇になってね」とあったので、あれ?まだ引退は早いし、どうしたのかな?と思っていたのだが、お会いしてその趣旨に感心した。
というのも、要は部下のマネージャー達にどんどん仕事のオペレーションを任せてみたら彼らが成長して仕事が回るようになったからだという。こうなると経営トップの仕事は株主たる親会社(4社)のマネジメント、危機管理、提携先とのトップ交渉くらいだという(ちなみにこの合弁会社では仕事が両親会社から回ってくるので、トップ営業すなわち親会社マネジメントでもある)。副社長として実務を仕切っていた頃は無茶苦茶多忙だったのが嘘のようだという。
もちろん(弊社を含む)中小企業では社長が何でもかんでもやらないと会社は回っていかないのが現実だが、世の多くの中堅以上の会社で経営トップが多忙なのは、実務に経営トップが関わり過ぎて、あれやこれやと指示を出そうとするからだと思う。それはご当人にとっては精神衛生上いいのかも知れないが、部下の立場からすれば迷惑この上ない場合も多いのである。
この社長のように突き詰めてしまうと、戦略的なイシューしか経営トップがやるべきことはなく、しかもそうして初めて戦略を集中して考える時間を創り出すことができるのである。自律的に回ることができるサイズの企業体の経営トップには、是非参考にしていただきたい話である。