韓国のソウル中央地検が8日、産経新聞ソウル支局の加藤達也前支局長(48)を在宅起訴しました。執筆した記事で朴槿恵大統領の名誉を傷つけたとして、情報通信網法に基づく名誉毀損(きそん)罪です(最高刑が懲役7年)。
http://www.huffingtonpost.jp/2014/10/08/sankei-korea_n_5955692.html
民主国家で、国家元首への名誉毀損で外国メディアの記者が起訴されるのは極めて異例です。OECD諸国でここまで非民主的な行動が正式な政府機関によって取られたことは異例かつ衝撃的です。これで韓国を民主国家と思う人は中国人くらいになるでしょう。もしこの記事を書いたのが日本のではなく、欧米のメディアだったらどうでしょう。こんな強圧的なことはしなかったでしょう。
ここまであからさまな政権および反日的世論への追従が行われたことで、日韓関係が悪化することはもちろん、韓国の国際的信用は完全に失墜したことは間違いありません。実際、報道の自由を脅かすとして、国際社会の批判は高まっています。特に日韓関係の悪化に懸念を示してきた米国では、メディアのみならず政府高官が批判していますので、自業自得ですが、韓国の政治的立場はかなり悪くなりそうです。
問題とされた記事は産経新聞のウェブサイトに掲載されたものです。客船「セウォル号」沈没事故当日に、朴大統領の動静が7時間不明だった事実を伝え、韓国紙・朝鮮日報の引用や証券筋の話を通じ、男性と会っていたのではないかとのうわさを報じたものです(本来は全国紙が扱うネタではなく週刊誌の記事ですね)。
この記事に対し、複数の保守系団体が刑事告発。大統領府も民事・刑事の法的責任を問う考えを表明したものです。その段階で日本政府は抑制的対応を要請していましたし、米国も懸念を表明していましたが、韓国中央検察は3回にわたり加藤前支局長の出頭を求め、任意で事情を聴いていました。そして逮捕・起訴になったわけです。この検察の捜査に対して、外国メディアやジャーナリスト団体が批判する見解を表明していました。
加藤氏は、8月7日から出国禁止状態が続いているそうです。メディアの人間なので、ある意味こんな目に遭うことは途上国では慣れたものでしょうが、まさか中進国たる韓国でとは思わなかったに違いありません。でも、これで同氏は韓国でのルポを出版し売れるようになったことは間違いありません。記者としても箔が付くことになったのではないでしょうか。さすが産経新聞、韓国叩きの大きなネタを自作した格好です。