廃材リサイクルで高級品を作る!

ビジネスモデル

4月2日放送の「ガイアの夜明け」は「ゴミから高級品を作る! ~リサイクル最新手法~」と題して、「アップサイクル」の最前線を伝えてくれた。ゴミとして捨てられる廃材に、付加価値を付けて高級品に生まれ変わらせることである。

最初は「TAOS(タオズ)」というブランド。海外から古着を仕入れ、それを仕立て直して販売している。古着のリメイク過程で発生する細かい端切れを使って洋服やバッグを作ったところ、女性客に大当たり。独自のブランドまで立ち上げてしまった。

名古屋の「MODECO(モデコ)」はアップサイクル専門ブランド。代表の水野浩之さん(28歳)は、元々は音楽家志望だったのを断念。父親が経営する商社で「産業廃棄物」を活用する事業を興した。彼はこれまで300種類以上もの廃材からアップサイクル商品を生み出してきた。例えば名古屋市消防局から廃棄された”消防服”を加工して作ったバックは1個2万3000円、廃棄されたシートベルトから作ったバックは1個1万5750円、と決して格安ではない。しかし今やモデコの商品は大手百貨店などで引っ張りだこで、売り上げも急伸している。実際に買っている人のコメントは、「共感する、デザインが可愛い」などと非常にポジティブである。

最後は人生の再生物語。奈良に住む永島さん夫婦は「工房 エンジェルのために」を営む。ここでは住宅などの解体現場から出た廃材を無償で譲り受け、それで家具を製造する。元手をかけずに作った家具が、安いものでも2万円から、高いものでは100万円近くで売れていく。出来上がる作品は当然ながら全部微妙に違い、味わいがある。全く違う色をした木を桜の花の形を埋め込むように組み合わせて、家具にする。出来上がりも見事。実際、欲しいと思った。

阪神大震災で被災した永島さん夫婦は仕事を失い、「新天地でやり直そう」と奈良県に居を移した。妻の庸さんは技術専門学校で家具造りを学び、夫の力也さんはアルバイト先の解体現場で出た廃材を持ち帰った(最初は単に木が高かったからだという)。家具を作ってフリーマケットで売ると、「カワイイ」と評判になり売り切れた。やがて自宅に工房を開き、地道にファンを増やしてきたのだ。

番組の最後では、夫婦は思い立って石巻まで出掛け、がれき化した「廃材」を譲り受ける。今や「廃材」となった家や家具の持ち主に想いを寄せながら、このあと家具にしていくという。とてもいい話だ。日本は元々エコ社会。もっともっとリサイクルの余地はあると思えた。