中国の不動産価格が急落しています。ずっと「バブル」だと言われながら、それでも何度か持ち直してきた中国の不動産市況ですが、今年になってからの状況は明らかに今までとは違います。
中国不動産バブル崩壊へ 押しとどめる術はない…
http://www.zakzak.co.jp/society/foreign/news/20140903/frn1409031140001-n1.htm
中国大手不動産開発会社、「次に倒産するのはわが社かも」
http://www.epochtimes.jp/jp/2014/08/html/d44577.html
もともとバブルと考えられるのは、実需ではなく投機の割合が圧倒的に大きくなっている状況があり、それを大半の市場参加者が認識している状況です。それでもずっと価格上昇が続いている限りは関係ないのですが、一旦価格が下落トレンドに入り込み反転しそうにないと多くの市場参加者が考えた時、オセロの白黒が反転します。つまりバブルの破裂です。
「買う人はほぼゼロ、いるのは少しでもいいから資金を回収したい人の投げ売りばかり」という状況になることがバブルの崩壊であり、まさにそのタイミングを迎えつつあるのです。そしてそれは不動産市場だけでなく、中国経済全体への大きな影響をもたらすと考えられます。不動産価格の急落がバブル経済全体の信用縮小、そして景気の大幅悪化に結びつくのは日本が経験した通りです。
「死期」前兆ちらつく中国経済… 不動産バブル崩壊、影の銀行“起爆”の恐れhttp://www.sankeibiz.jp/macro/news/140906/mcb1409060704001-n1.htm
中国の不動産バブル崩壊が中途半端に済まず、(従来期待されていたように)政府制御では難しいと見られる背景には、中国経済特有の構造もあるようです。
焦点:中国で不動産在庫が蓄積、開発加速が価格下落に拍車
http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPKBN0GT07O20140829
年内にこうした(不動産価格だけでなく)中国経済そのものの悪化状況が明らかになるのではないかと小生は懸念しています。中韓嫌いの人々には「ざまあみろ」的な感情が湧くことでしょうが、中国経済と密接な関係を持つ日本経済にも大きな悪影響をもたらすと考えられます。消費税増税なんかをやっている場合ではないと個人的には思います。