ブラック企業への転職の誘いにはご用心を

ビジネスモデル

昨夜、ある同窓グループで会食をしました。その場では色々な近況報告があり、和気あいあいといった感じでした。あえて言えば、多くは世間的には相対的に恵まれた地位にあった人たちでありながら、(再就職など)自分のことだけで汲々している感があり、もう少し社会的な貢献活動をしてもよいのではと思っていました。

その中で一人が転職活動中だというので気になり、会食終了後に改めて話を聞きました。すると最近労務問題が取り沙汰された有名企業Aからの誘いがあり、子会社社長に就任する話を真剣に検討していたことが分かり、実に驚きました。結局、その労務問題でごたごたしたことで話はポシャったようですが、ほぼ正式に決まる直前まで行ったというのです。

彼は超有名企業の海外子会社の社長もやっており、結構すごいプロファイルと経験を持っており、本人も経営者として自負を持っている人物です。今は何年か前に転職したやはり有名企業のBで役職にありますが、やるべき仕事はやり尽くし、今では「やりたいことをやらせてもらえない」との事です(この科白、前回の転職の際にも聞きました)。

これ以上の出世はプロパー社員でないと難しいとの感触もあり、引退前にもう一花咲かせたいという気持ちが強いようです。彼のその気持ちはそれなりに分かるのですが、正直、今回は見送りになって正解だと感じています。

その企業Aの企業体質はとんでもないもので、あるルートで漏れ聞こえる社員・アルバイトからの告発内容は半端ではありません。経営トップの独裁性も問題なのですが、その直下の部下たちが完全に経営トップのミニコピーなのです。そのため現場の従業員の人権を軽視する企業体質となっているようなのです。多様性を欠いた「体育会系」経営陣の悪いパターンです。

彼がその企業Aの関係者(上層部)から聞かされているのは多分、よい話ばかりでしょう。しかし、実際には相当ドロドロした部分が隠されていると思って間違いはありません。小生がかなり昔に一時期だけ子会社社長を務めたグッドウィル・グループと大して変わらないでしょう。

確かに確証があるわけではなく、そうした企業体質問題は入ってみないと分からないものですが、そんな大変な経験を彼にはして欲しくありません。企業体質を根本的に換える時間の与えられた若い世代ならともかく、この歳でわざわざブラックな会社に入って苦労する必要はありません。彼にはまた次の機会があることを祈って、今回の見送りを幸いとして欲しいと思っています。