トランプ大統領のコロナ感染は選挙にどう影響するのか

ブロググローバル

米国大統領選挙まであと1か月を切った中、トランプ大統領の新型コロナの罹患が報じられました。大きな波乱要因です。

トランプ陣営では選挙活動における感染対策が不十分だと、ずいぶん前から批判されてきました。大規模集会を継続し、その中でマスク着用を義務付けしなかったせいで、会場に詰めかける支持者の半数以上はマスクなしでシュプレヒコールを大声で叫ぶなどし、互いにハグしまくっていました。その会場に選挙対策チームは毎回出席し、マスクなしの支持者と歓談していました。そりゃあ、いつか感染しますわな。

しかも選挙対策幹部の感染が判明した後も資金集めパーティを自粛せずに開催し、そこに今回感染が報じられたヒックス大統領顧問もトランプ夫妻も当然ながら参加しています。この陣営のリスク管理の甘さはどうなっているのでしょうね。

米国の選挙の仕組みにより、今報じられている支持率の差は誤差に過ぎないとのことです。もともと共和党支持派と民主党支持派はほぼ同数の3割ずつ。そしてトランプ好きは何があってもトランプに投票し、逆にトランプ嫌いはどうあってもバイデンに投票します。つまりは約4割といわれる無党派層(=浮動票)次第なのです。

ただこの「トランプ感染」が1か月先の選挙にどう影響するのかは誰にも見通せません。多分、それはトランプ大統領の回復具合に依るのではないでしょうか。結局執務できなくなれば、さすがに無党派層には「国のトップにしては馬鹿過ぎる」と見放す批判票が増えるでしょうし、復帰後も意外と軽い症状で終わってしまえば「さすがタフガイだ」と、却って支持率が上がる可能性が十分あります(米国人はやはりタフガイが好きなのです)。

だからこそ本人は焦って(未承認薬を使ったとの情報もあります)退院し、元気を装ってツイッターを連発しているのです。

第一回のTV討論会でのトランプvsバイデンの直接対決は互いに相手のことを口汚く罵り合うもので、今までにない「泥仕合」としてマスコミからは批判されました。しかしトランプ支持者は「トランプらしい」と意に介していません。バイデン支持者は高齢のバイデン候補が「よく集中力を切らさずに持った」と安心したようです。

でも無党派層はかなり冷ややかに両者を観ていた模様です。そして副大統領候補同士の対決をはさみ、第2回目、第3回目はすぐにやってきます。

エネルギッシュにかつ自信をもって、つまり討論相手の突っ込みをほぼ無視して、自説を繰り返し主張できるかどうかが結局は勝敗を分ける、というのが過去のTV討論会と選挙結果のパターンでした。今回もそうなる可能性が高いと思います。