ゲスト・スピーカーの人柄に触れた教育懇談会

社会制度、インフラ、社会ライフ

今日は娘の大学の教育懇談会という一種の父兄会(授業を観る訳ではないので参観日ではない)。そこでのゲスト・スピーカー、日本ホテル(株)常務取締役で東京ステーションホテル総支配人の藤崎斉氏の話を興味深く聞いた。

氏は小生と同じ年に大学卒業。いわゆる就活に失敗したという。久々に「若干名募集」としたFM東京を志望し、最終8次(!)面接まで2人が残り(他の内定を蹴った後)、結局落とされた。しかし後日知ったことによると、その年の採用数はゼロだったという。ビジネス人生の最初に企業の気まぐれに引っ掻き回された格好だ。

しかし氏はそこからむしろ光り輝く。リクルート子会社に拾ってもらい、それからホテルマンとして東京ヒルトン、ウェスティン、JALホテルズを渡り歩いて出世し、遂に国家プロジェクトたる東京ステーションホテルの総支配人に就くまでになったのである。いわば「業界の顔」の一人になったわけである。

氏の主張はしたがって、「人生はマラソンではない」「人生の価値は一つじゃない」「先の見えない現代、大切なことは『変化に対応できる人材』になること」「そのためにDiversityの環境に身を置き、人間としての教養を高めよ」ということだったと思う。リクルート出身らしく映像を多用して楽しいプレゼンだった。特にCommunication robot のJiboが可愛かった。
http://www.homecrux.com/2015/12/12/39513/jibo-worlds-first-family-robot-looks-after-you-and-your-family.html

氏の講演の最後は、まだ就職が決まっていない学生や、うまくいかない学生への同情と共感が詰まっていた。成功者でありながら驕慢さはつゆほどもなく、自身の蹉跌を思い起こしてごく自然に他社への共感が湧き出る、素晴らしい人柄を感じられた。この大学の良さの典型例なのかも知れない。