8月12日 に放送されたNHKの「ドキュメント 決断」は、「“名物社長”の引退~ジャパネットたかた 高田明~」でした。約1年前から予告された動きではありますが、やはりいざとなると重い決断だと思います。
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「商品を見極める眼」と「巧みな話術」により、わずか一代で年商1500億円の通販会社を育て上げたカリスマ、高田明。来年1月の退任を公表したのです。強烈なリーダーシップで商品の仕入れから通販番組の演出に至るまで、あらゆる経営判断を一人で行ってきた高田社長。自分一人のセンスに依存した、トップダウンに頼った品ぞろえや販売手法を大きく見直す改革を進めています。
見かけも精神的にもまだまだ働き盛りの65歳。高田社長がなぜこの時期に経営トップの座を降りるのか。一つには息子・旭人副社長が成長したという判断もあるでしょう。しかし実際には高田明の目から見れば、まだまだ危なっかしくて仕方がないといったところでしょう。しかしながら、移譲を先延ばしすればするほど自分一人に依存するビジネススタイルと社風の転換が難しいという判断がありそうです。
また万が一失敗したとしても高田社長が60代のうちならば再登板もできます。しかし仮に70歳を前に禅譲したら、失敗しての再登板時には70歳を超えてしまいます。その時には会社再建に必要な体力・気力が十分ではないかも知れない。ならば早いうちに。そんな考えもあるのではないでしょうか。
ワンマン脱却を模索するジャパネットたかたの代替わりには、経営者だけでなく、ショッピング番組のMC(進行役)がハードルとなります、あの甲高い高田社長が登場して推奨するだけで商品の売上が格段に違うと、MCの後継者が語っていました。むしろこちらのほうが研究心だけでは追いつかず、センスを問われますので、ハードルが高いと思います。もしかすると、経営者・高田明は来年1月に引退しても、天才MC・高田明の引退は先延ばしせざるを得ないかも知れません。
問題は、その際に採り上げる商品の決定や演出法まで明氏が仕切るのか、それともチームで判断するのか、ということです。これには「正解」というものはなく、試行錯誤で新しいスタイルを見つけていくしかないのかも知れません。来年1月までにそれが見つかるのか、これもまた注目の的です。