エボラ出血熱の脅威はすぐそこまで来ている

グローバル

エボラ出血熱に感染した人を看護した結果、感染した医療従事者が欧米でも現れ、大きな衝撃を各地にもたらしています。
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20141014/k10015395121000.html

この件での衝撃は、当該の医療従事者が、防護服や手袋などを着用していたにもかかわらず、ウイルスに感染したことです。ガイドラインもあり、訓練も受けていたはずなのに、というショックです。もちろん、徹底度が足らなかった可能性が高いのですが、それだけエボラ出血熱の感染力が強いという脅威を示すものです。

日本に感染者が入ってきたらどう対処できるのか、非常に不安であることは事実です。実はエボラ出血熱が拡散する一つのパターンは病院を中心に広がるものです。米国の病院以上に日本の病院では、こうした外来の感染症に対する備えが不十分と言われます。

厚生労働省はパニックを恐れ、徹底的な情報開示をしていませんし、「日本は西アフリカとの間の旅行者は限られており、ちゃんと監視しているので不安がる必要はない」といっているようですが、はっきり言って怪しいものです。7月末の時点ではアフリカ外には拡大しないと見られていたのが、今では欧米に拡散しております。

「日本-西アフリカ」間の旅行者だけを監視していても駄目です。エボラウイルスの潜伏期間は2日から21日とされ、感染した人がそれに気づかず飛行機に乗って移動してしまうためです。発症してもエボラ出血熱とは思わずに病院を訪れて普通に診察を受けることで、かなりの人と接触することで簡単に拡散しやすい状況なのです。

アフリカ外の感染者は今はまだ欧米までですが、アジアにも及ぶのは時間の問題ではないかと考えられます。西アフリカには中国人や韓国人、インド人などがかなり進出しており、母国にも戻っています。それらの国々から日本への渡航者は相当な数にのぼります。つまり3角貿易的に日本に感染がもたらされる可能性は低くなく、そのルートへの注意はあまり高くないのが実情です。そうした観点が求められています。

また、感染の可能性がある人に対する検査に数日の時間が掛ることも「水際作戦」を難しくしている大きな要因です。弊社ではこの面での対処の可能性がある技術を今、支援しようとしています。それが軌道に乗るまでの期間、何とか関係者の知恵で食い止めて欲しいものです。