昨夜は20数年振りに会うUT-Austinのビジネススクール時代の同級生夫婦と食事をした。彼らは当時クラスメート同士で付き合っており(こうした例は稀)、卒業後に結婚し、今や2人の高校生の父親・母親である。
ダンナが経営する会社が比較的最近、日本企業に買収されたのだ(名誉なことである)。それで時折日本には来ていたが、今回初めて夫婦揃って来日したので、久々に会おうという話になったのだ。小生以外にも、当時の日本人クラスメートが奥さん(当時Austinに居住)を連れてきたので、計5人でヤキトリなど食べて楽しい時間を過ごした。
しかし会話の中では幾つか驚かされたことがある。
あまり詳しく書くと当人に迷惑を掛ける可能性があるので控えるが、会社を買収したその大手有名日本企業に関し、ミーティングでの様子などをダンナのほうが面白おかしく語ってくれるのだが、かなりなローカル企業振りなのである。そもそもダンナの英語が早口過ぎるせいで日本側のスタッフ(超エリート揃いだそうだ)が理解できないのに曖昧にうなずいている様子や、肝心な部分が伝わらないのを懸念して通訳を使うように要請したのに、自分達の英語力が足らないことを認めたくないため拒否されたことなど、プライドばかり高くてちょっと情けない島国根性が伝わってきた。
もっと問題なのは、経営上必要と考える幾つかの提案を常日頃しているのだが、その決裁をすべき「ボス」は5人もいて、稟議を回すのに最低数か月、長いものはもう1年店晒しにされているとのこと。競合の韓国企業との比較がその場でも話題になったが、いくら技術力で上回っていると自負してもこれでは逆転必至である。当該の事業部門は、その大手有名日本企業の中でも日本市場依存度が高いため、こうした「田舎企業振り」が特にひどいのだとは思う。それにしても、グローバル化しているといわれるその企業においても、こんな経営が許されているのかとあきれた次第である。
もう一つ驚かされたのは彼らの住環境である。もう10年ほどチェコに住んでいる彼らは、湖のほとりに家を買って将来(子供達の独立後)も含め定住を決めている。その写真をiPhone上で見せてもらったのだが、本当に素晴らしい自然に囲まれているのである。それでいながら、会社まで歩いて10分の職住接近である。東京近辺に住まなければ仕事がない身としては、うらやましいばかりである。