『For Japan』シリーズ(11月放送分)「日本のお金の大問題」#30

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『For Japan~日本を経営せよ』の「日本のお金の大問題」テーマについての私の考えの続きです。

A2:正確には不況とインフレの両立状況をスタグフレーションと言います(私は経済学部でしたので)。そして現在は不況ではなくむしろ好況期なので、正確には単に「(デフレーションから)インフレーションへ切り替わった初期」です。

とはいえ、多くの人にとっては物価高をカバーできるほどの賃上げには届いておらず、さらに物価は上がり続けそうだという不安は理解できます。

この状況は続くと思います。平均賃上げ率は5%前後をしばらく行き来し、物価高も平均で4~5%程度が続くと考えます。だから実質所得が少しだけ上昇するので、「何とかなる」とも言えます。

賃上げのほうは「人手不足」が深刻化する中、離職されるよりはましとばかり、企業は多少無理してでも賃上げはしばらく続けるでしょう(よほどの経済ショックが無い限り)。

一方、人手不足とエネルギー事情および為替水準などというサプライサイドの理由から、物価上昇が収まるとも思えません。中国経済がクラッシュしない限り、多少の変動はあっても物価は長い目でみて上がり続けるでしょう。新たな戦争やパンデミックが再び起きない限り一挙の物価高もなく、じりじりと上がると考えるのが妥当でしょう。

A3: そもそもの最大要因は為替が大幅に円安ドル高に振れたことです。

もう一つは日本の高齢化が目立って加速し、日本企業が日本に再投資しなくなり、地方の経済活動が停滞したため、地方都市の土地などの資産価格が暴落したことです。

対策があるとすれば、(既に始まっていますが)日本での金利を正常化し、為替相場をある程度まともな水準に戻すことです。併せて、産業クラスター創造を促すなど国内の地方への再投資と地方への移住を促して、地方経済を活性化することです。

(以下、次回に続きます