『For Japan』シリーズ(8月放送分)「少子化対策とは経営である」#19

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『For Japan~日本を経営せよ』の「少子化対策とは経営である」テーマについての私の考えの続きです。

A3: 少子化は企業経営に対し3つのことを迫ります。

  • より高い給与を示して他社の人材獲得を狙う動きが露骨になり、多くの業種で転職がさらに一般的になります。現在の従業員が来年もいてくれるとは限りません。

  • 人件費・労務費が全般的に急上昇します。人海戦術的な作業を委託している外部コスト(物流費、警備費、建設費など)も加速度的に上がります。いずれ米英のような人件費ドリブンのインフレが現実化します。よほど付加価値を継続的に上げないと利益は生まれません。

  • 賃金を上げ続けても(ごく一部の超優良企業以外は)必要な頭数が揃わなくなります。働き手がいなくなるせいで倒産を余儀なくされる会社も増え、生き残った会社は無駄な業務をする余裕がなくなると同時に、一段上の省力化投資(IT、ロボット化など)を余儀なくされます。つまり業務見直しが継続的かつ大胆になります。

これらの少子化の進行の結果、長期的にはよい社会になると思っています。

人材の価値は各段に上がり、転職市場はもっと普通になるので、「せっかく入った会社だから辞めるのは勿体ない」と理不尽を我慢する必要がなくなる訳ですから。ブラック企業やハラスメント横行企業、賃金を上げられない企業はどんどん淘汰されて、人を大切にするまともな企業しか残らなくなります。

また「弊社の人材確保策」については、知名度がないので今でも人材確保に苦労しています(策としては有力筋からの紹介くらいです)。

その反面、「少子化」自体にあまり影響は受けません。①少数精鋭主義なので、頭数を確保するという発想がない、②弊社の仕事は特殊かつある程度の経験を要するため、元々若手の採用は想定していない、という2つの理由からです。

(以下、次回に続きます