『For Japan』シリーズ(8月放送分)「少子化対策とは経営である」#20

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『For Japan~日本を経営せよ』の「少子化対策とは経営である」テーマについての私の考えの続きです。

A4:このまま行くと、数年後に合計特殊出生率は1を大きく割り込み、与党と行政は「ここまでやってもダメだった」と無力感をさらし、野党も効果的な対策を出せずに、日本全体がお手上げ状態になるでしょう。

「団塊の世代がほぼ死に絶えることで世代間のバランスが回復し、長期的にはまともな社会になる」とは考えますが、その前に年金制度や健康保険制度などが崩壊しかねません。地方の過疎化も加速して本当に消滅する地域も続出するでしょう。

(放置する訳にもいかないでしょうから)起死回生の対策は大きく3つ。

一つめは、非正規雇用の人たちのうち希望する人たちを正規雇用に切り替えることです。それを企業に強制するよう、法令とその運用を変えてしまうのです。そして非正規対象雇用を許す業務を昔に戻して狭くするのです(パソナなど人材派遣で儲けている企業が反対するでしょうが、これこそが主な元凶の一つなので、厳しくしないといけません)。

二つめは、ブラックホールのように若い女性を吸い込んで出生率を下げまくる東京(をはじめとする大都市圏)から若い人たちが地方に分散するよう、思い切った策を採る事です。

方向的には、①IT関連企業が「従業員が地方でテレワーク勤務できる」ように勤務体制を思い切って切り替えること、②非IT企業(とりわけ企業グループを形成している大企業)がこぞって地方に移転すること、の2つです。

上記①のためには応じる企業に対し具体的な「飴」(インセンティブ)を与える必要があります。

逆に②のためには「鞭」(罰則規定)を与えるのが効果的です。具体的には「従業員100人以上で、従業員の半分(1/3としてもいいくらい)以上が四大都市(東京・横浜・名古屋・大阪)の事業所に勤務している企業は国の公共事業や国家的イベントに応札できない」といった具合です。

三つめの対策は「出生数=出産適齢期にある女性数×出生率」の算式の前半、すなわち母数である「出産適齢期にある女性数」を一挙に増やすため、海外からの若い移民を毎年一定程度認めるのです(https://www.insightnow.jp/article/11750)。10~20代の若い女性を主たる対象にし、その家族の帯同も許可するのが効果的と考えます。

この最後の対策が、一番即効性がありそうです。