「住宅型有料老人ホーム」の閉鎖が語るもの

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最近の「クローズアップ現代+」で放映されていた内容です。近年急増していた「住宅型有料老人ホーム」というタイプの老人ホームが、倒産などで昨年度は全国で少なくとも355も廃止したそうです。突然閉鎖が決まり、入居者が退去させられた様子が放映されていましたが、社会問題化しています。

なぜこんなことになっているのでしょうか。番組によると次の3点です。
https://www.nhk.or.jp/gendai/articles/4336/index.html

1. 住宅型はさまざまな設備を設置する義務はなく(国の規制が緩い)、既にある建物を改修して作ることもできるため、一般的に初期投資を低く抑えられる
2. そのため経営スキルに乏しい業者でも利益を上げられると安易に考え(煽るようなセミナーも多かった)、次々と新規参入した業者が多かった
3. しかし実際には、(まともな介護サービスを提供しようと考えると)スタッフの人件費および経営者の手間が意外と掛かり、まったくペイしない

要は素人が安易に参入してみたら儲からないことが見えてきたので、倒産や売却希望の案件が急増しているという訳です。もう「あちゃー」という感じですね。いえ、参入した業者の声ではなく、私の心の声です。

新しい事業に参入するなら、それを促進することで儲ける連中の「うまい」儲け話をまるまる信用して安易に乗っかるのではなく、どんなリスクがあるのかを自分なりに考えてしっかりと調査してから判断すべきです。

こんな当たり前のこともせずに、人の人生を左右するような事業に参入して、そして売却とか倒産とかするのは事業家としては最低の行為です。今更の話ですが、誰にもこんなことに手を染めて欲しくはありません。