「ありがとうって言われる仕事」の魅力

ビジネスモデル

6月29日(土)にBSジャパンで放送された「ありがとうって言われる仕事~ソーシャルビジネス2013~」は興味深いものだった。「第1回日経ソーシャルイニシアチブ大賞」を受賞した団体の4つの活動を紹介するものだ。

(1)大賞:フローレンス
子供が病気になると一般の保育所は預かってくれない。そんな悩める働くママの強い見方、病児保育のシステムを確立した。訪問型で固定の施設を持たず、共済型にすることで低価格での利用を実現。また1人親家庭には更に格安のプランを提供。
(2)国内部門賞:ケアプロ
血液検査を始めとする健康診断を1項目500円から提供。自分の体調を知り、いち早く医師を受診する機会を提供することで増え続ける国の医療費の削減に貢献。
(3)国際部門賞:テーブル・フォー・ツー・インターナショナル
飢餓に苦しむ発展途上国の子供と肥満に悩む先進国。その真逆の問題を一挙に改善する。
(4)東北復興支援部門:オンザロード
被災地の石巻を中心に、地元の生産者の悩みを解消する仕組みを作り出した。

特に(2)の「ケアプロ」の「ワンコイン検診」は名前は聞いたことがあっても、内容はよく知らなかったが、この番組を観て理解できた。

その特徴は4つ。1.安い(1項目500円から)、2.早い(結果はその場で伝える)、3.自己採血(血液検査は指先から自己採血。看護師がサポート)、4.ケータイカルテ(パソコン・スマートフォン・携帯で、いつでも、どこでも、検査結果を確認できる)。なるほど確かに「ファースト健診」、今まで健診を受けなかった人たちも気軽に受けるようになるということが分かった。

面白いのは法人向けに「出張イベント」というのを実施していること。自社社員向けとはかぎらない。むしろ自社施設やイベントを盛り上げるために全国どこでも出張するという趣旨。駅ナカ、店ナカ(番組ではパチンコ店の例が採り上げられていた)、街ナカ(お祭りなど)、等々、年1000回の実績ありとのこと。これは凄い。パワフルな情熱を感じる。

ケアプロに限らず、ソーシャルビジネスはいずれも、やっている人たちが輝いていて魅力的である。だからこそ応援する人たちが増えるのだろう。我々のような経営コンサルティングも「ありがとうって言われる仕事」ではあるが、価格が高いためにソーシャルビジネス扱いされることはない。でもこうしたソーシャルビジネスを生み出す、または拡げる手伝いをしたいという思いは常にある。